前回の続き。


原文:
http://www.channelfireball.com/articles/eldritch-moon-limited-set-review-white/


罪からの解放者
{2}{W}
クリーチャー ― 人間・クレリック
0/3
罪からの解放者が戦場に出たとき、あなたは他のパーマネント1つを生け贄に捧げてもよい。そうしたなら、無色の3/2のエルドラージ・ホラー・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
昂揚 ― あなたのアップキープの開始時に、あなたの墓地にあるカードにカード・タイプが合計4種類以上含まれる場合、罪からの解放者を変身させる。

/////
肉体からの解放者
クリーチャー ― エルドラージ・ホラー
3/5
あなたがコントロールするエルドラージは警戒を持つ。
{2}, {T}, エルドラージでないクリーチャー1体を生け贄に捧げる:無色の3/2のエルドラージ・ホラー・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

Rating:2.5

いろんな要素があるから、評価するのは簡単じゃないね。
平均的なデッキの3マナとして見てみると、大したことないカードだ。
序盤では土地をサクりたくないから、2マナ生物をわずかに強化するだけだろう。
3ターン目にプレイしないとなると、昂揚を達成できるのはふつう7-8ターン目以降なので、そこでは裏返っても盤面最強の生物とはいかないだろうな。

終盤にプレイするものとみなせば、多少見るべきところが出てくる。
ゲームが進むにつれ3/2のエルドラージは大したものではなくなってくる一方、だけど不要なパーマネントもだんだんと生じえるんだ。(過剰な土地や、絞首束縛のついたクリーチャーとかね)
そして、生贄の効果は昂揚の助けとなる。
さあこれで、裏面への変身を阻むべく、相手が除去を使う必要があるだろう脅威の生物が盤面にご登場ってわけだ。

昂揚に寄せたデッキに投入すれば、かなりすごい奴だね。
表面は昂揚達成となる最後の1枚を墓地に送ることができる、んで強力な能力を持ったデカブツへと早期に変身するんだ。

罪からの解放者をうまく使うにはちょっとした準備が必要だ。
だけどその強さは本物だから、高く評価した。
アグロデッキではまず投入したくないだろうけど、昂揚が狙えるなら凄いやつだよ。中速のデッキにおいても、単純にアドが稼げるからプレイするに足るカードだと思うね。


揺るぎない信仰
{3}{W}
エンチャント ― オーラ
エンチャント(あなたがコントロールするクリーチャー)
揺るぎない信仰が戦場に出たとき、対戦相手がコントロールするクリーチャー1体を対象とし、揺るぎない信仰が戦場を離れるまでそれを追放する。
エンチャントされているクリーチャーは+2/+2の修整を受ける。

Rating:2.5

こんな揺らぎある不安定なカードに信仰を捧げたくはないけど、カードパワーは合格点を軽く突破している。うまくいくと、相手の最強生物を――どんな奴でもだ――除去する一方で、戦場にデカい脅威を作り出せる。(すかさずダメージを叩きこめるオマケつきだ)

うまくいかなかった時、他のオーラと同じくコイツは相手が喜ぶ2対1交換をとられてしまうんだ。相手がファッティをプレイすべくタップアウトした時に信仰をプレイできる、というのはいい点だね。そうすればゲームに勝つか、差し迫っていた大ダメージを回避することができるだろう。

欠点も大きいから、放逐する僧侶よりは少し悪い。
だけど依然、白アグロデッキが強く求めるほどに強力なカードだよ。
相手に回答がなければ、容易く手堅い勝利をもたらしてくれるだろうね。


信仰持ちの聖騎士
{4}{W}
クリーチャー ― 人間・騎士
3/4
絆魂(このクリーチャーがダメージを与えると、さらにあなたはその点数分のライフを得る。)

Rating:1.5

コイツは俺の定義で標準的な穴埋めカードにあてはまるものだ。
このサイズの絆魂はおおよそ追加で+1/+1修正を得ているに等しい。
だから、聖騎士は茨隠れの狼とカードパワーが同等ってとこだ。
どちらのクリーチャーも、50%よりはやや高い割合でデッキに入り続けるだろうね。


悪鬼を縛る者
{3}{W}
クリーチャー ― 人間・兵士
3/2
悪鬼を縛る者が攻撃するたび、防御プレイヤーがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それをタップする。

Rating:1.5

コイツは凄いカードに見えた、3マナだと俺は思い込んでいたからね。
カードを読み返して、俺の関心は薄れてしまったよ。ブロッカーを1体タップできるにしても、5ターン目じゃあタフ2の生物は戦場から生還できないだろう。

攻撃時に誘発するこの能力は、ヴォルダーレンの決闘者のcip能力とだいたい同じようなもんだ。となると、速攻がない分決闘者よりずっとひどいカードだね。

コイツを並べて数ターン攻撃できたなら、そりゃあ大したもんさ。
でも残念なことに、サイズが求める4マナ生物の最低ラインから単純に大きく下回っている。アグロデッキじゃ数合わせにはなるけど、ディフェンシブなデッキなら避けるべきだ。


孤独な夜番の霊
{1}{W}
クリーチャー ― スピリット・クレリック
2/3
防衛、飛行
昂揚 ― あなたの墓地にあるカードにカード・タイプが合計4種類以上含まれるかぎり、孤独な夜番の霊は防衛を持たないかのように攻撃できる。

Rating:1.0

攻撃できない2マナ生物、かなりパッとしないな。
終盤になってようやく攻撃できる2/3になるけど、正直大した見返りではないよ。
居場所はあるにはある――防御的な昂揚デッキだ――この2つの条件を満たすなら、十分良いカードだね。だがコイツは早めのピックに値しない、本当につまらないカードだ。


折れた刃、ギセラ
{2}{W}{W}
伝説のクリーチャー ― 天使・ホラー
4/3
飛行、先制攻撃、絆魂
あなたの終了ステップの開始時に、あなたが折れた刃、ギセラと「消えゆく光、ブルーナ」という名前のクリーチャーを1体コントロールしているとともにそれらのオーナーである場合、それらを追放し、その後それらを悪夢の声、ブリセラへと合体させる。

/////
悪夢の声、ブリセラ
伝説のクリーチャー ― エルドラージ・天使
9/10
飛行、先制攻撃、警戒、絆魂
対戦相手は、点数で見たマナ・コストが3以下の呪文を唱えられない。

Rating:4.5

さしずめイニストラードに降臨した悪斬の天使で、間違いなくぶっ壊れカードだろうな。
コストも軽い上に、ライフレースを制することも戦闘で討ち取ることも事実上不可能ときた。ギセラが5点満点といかなかったのは、本環境のたいていのコモン除去で処理できてしまうからさ。

ドラフトやシールドで最も引き当てたいと願うカードの1枚だろうね。


一所懸命
{3}{W}
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+6の修正を受けるとともに、このターン、それは望む数のクリーチャーをブロックできる。

Rating:1.0

防御的なバットリってのは特に望まれないタイプのカードだ。
実際問題、相手の大掛かりな攻撃を見越して、4マナ空けてターンを返すのかい?
除去を食らうリスクを背負って、相手がマナを構えてるところにコイツをプレイするのかい、マジに?
確かに、時にそうやって、うまくいく場合はあるだろう。
でもコイツは君の戦略に組み込むべきではない類のカードだ。


巡礼者の守護霊
{1}{W}
クリーチャー ― スピリット・クレリック
2/2
巡礼者の守護霊が戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時までそれを+1/+1の修正を受ける。

Rating:2.5

白のアグロデッキじゃ2マナ域はとても重要で、コイツは良い、有能なやつだよ。
2ターン目に戦場へ何か出す場合、灰色熊でさえ喜んでプレイするくらいに強い。
5ターン目にコイツをドローした場合、オマケの価値がついてくる、1サイズ大きいブロッカーに君のクリーチャーを突っ込ませることができるんだ。
クリーチャータイプにも意味があるってことも踏まえれば、ドラフトの中盤で見かけたならうれしくなる奴だよ、いったん君が白に向かうと舵取りしたならね。


鉄覆いの処刑者
{2}{W}
クリーチャー ― 人間・戦士
3/2
鉄覆いの処刑者が戦場に出たとき、あなたの墓地からオーラ・カード1枚か装備品・カード1枚を対象とする。あなたはそれをあなたの手札に戻してもよい。

Rating:2.0

絞首束縛は素晴らしいコモンではあるが、勝負が非常に長引かなきゃ墓地に落ちないだろう。
ましてや、コイツで拾うためにオーラや装備品を墓地に落とすことが特別に容易く、有益だとも思えない。異界月/イニストラードを覆う影リミテッドでは自分のライブラリを墓地に落とす手段もあるけど、それは白の主要テーマではない。

コイツは長引けばアドが取れる可能性を持った並のクリーチャーだ。
オーラを回収できる見込みが20%だとしても、依然として数合わせ要員にはなってくれるさ。


鉄大工の浄化
{2}{W}
ソーサリー
アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを追放する。

Rating:1.0

メインにコイツを入れようとするなかれ。
しかしこのリミテッド環境ではアーティファクトやエンチャントが結構見受けられるから、もしメインに入れざるを得なかったとしても、全くの役立たずとまではいかないだろうね。
まして、サイドボード要員としては手堅いやつだよ。


単体騎手
{1}{W}
クリーチャー ― 人間・騎士
1/1
先制攻撃、絆魂
終了ステップの開始時に、このターンにあなたが3点以上のライフを得ていた場合、単体騎手を変身させる。

/////
同体騎手
クリーチャー ― エルドラージ・ホラー
4/4
先制攻撃、トランプル、絆魂

Rating:1.5

表面の単体騎手は弱く、変身するには少し手間がかかる。
たまたま序盤に複数ピックできて、変身条件の助けとなる連中をドラフトできれば非常に面白くなる類のカードだ。
でも単体騎手単体では、特にデッキに投入する必要のないやつだよ。


遥かなる旅路
{1}{W}
インスタント
クリーチャー1体を対象とし、それを追放する。次の終了ステップの開始時に、そのカードをオーナーのコントロール下で、+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に戻す。

Rating:1.5

リミテッドに関する俺の記事をたくさん読んでくれていたなら、生物でも除去でもないカードを嫌う強い傾向があるのをご存じだと思う。
俺は遥かなる旅路のようなカードは低く評価することにしているんだ。
しかし、それはドラフトのピックで高く見るべきではないということであり、依然としてコイツをプレイする機会や場面は存在している。

戦場に出た時に誘発する強力な能力を持った生物が数体いるのであれば、メインから投入しよう。金縛りや月銀の拘束といった厄介なオーラに対抗するために、サイドインしよう。
他にも、生物を除去から守ったり、君のターンにブロッカーを排除してとどめのアタックを決めることもできるんだけど、コイツにできるのはそれが全てだという場合は、旅に出すのはやめて脇でじっとしていてもらおう。


月皇の外套
{1}{W}
エンチャント ― オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともに「{1}, パーマネント1つを生け贄に捧げる:ターン終了時まで、このクリーチャーは飛行を得る。」を持つ。

Rating:1.0

並のオーラってとこだ、そして並のオーラはリミテッドじゃ概して弱い。
コイツが幽体の飛行だったら喜んだんだが。
まあ月皇の外套だからこそできることも少しある、昂揚を達成するとかね。
しかし残念なことに、マナを使いパーマネントをサクらなきゃいけないから、毎ターン起動して飛ばし続けることはできないな。

月皇の外套はアグロデッキじゃまともなカードで、(鉄覆いの処刑者のように)オーラを積むことがメリットになるカードも少しある。
とどのつまり、コイツは並以下の数合わせカードさ。


次回に続きます。


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